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コロナ禍で許せなかったコト グローブ貿易詐欺編

こんにちは。LIFEBLOGです。

 

コロナ禍でとても許せなかったコトがあります。

それは、、、詐欺です。私が遭遇したわけではないのですが、私の周りに非常に多くの人が騙されたケースが有り、シェアしたいと思い記事書きました。

 

もし、あなたがコロナ関連の医療用品を会社で買おうと思っていた場合は、この記事を読んでよく考えてから行動に移してもらえばと思います。

 

「どんな詐欺があったの?」

 

昔、貿易のようなことをしていたことや、貿易関連の友人が多かったことから、コロナ禍でなにか役立つことができないかと思い、コロナ対策商品N95のマスクや医療用グローブなどを調達するルート開拓をしておりました。

 

その中で色々な方とお話や交渉をすることがあったり、海外の情報やニュースなどを見ていく内に、この騒ぎに便乗して詐欺を働く人間の多さに気づきました。

 

貿易業界でよく笑い話のようにして話される内容ですが、「商品が届いて開封したら石が入っていた」「開けたら中古品だった」なんてことが今回のコロナ禍で送られてきた商品にあったり、「そもそも届かなかった」ということもめちゃくちゃ多かったと聞いています。

 

「まじか、それ、、、」

 

と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、マジです。

N95マスクやグローブの有名なメーカーである3Mは詐欺に対する対応のために、詐欺用のホットラインの電話番号を特別に作りました。詐欺対策用の情報共有や裁判なども多く展開しています。下記のリンクは3Mの実際の詐欺事例や、それに対する3Mの活動について記載されています。

https://multimedia.3m.com/mws/media/1826045O/news-release-20200407.pdf

 

タイのグローブメーカーはこぞって詐欺アラートをホームページ上に記載しています。

私がタイのグローブメーカー30社ほどの調査をして、詐欺アラートの情報を集めたところ、なんと101もの詐欺会社のリスト化をすることができました。

 

タイ国内のメディアでも同様にニュースで報道されていました。下記は新品と偽り、中古のグローブを販売していた会社を摘発した際のニュースです。

thethaiger.com

下記はグローブやマスクの規格に対する証明書の偽造を摘発した際のニュースです。

www.bangkokpost.com

 

「ほんまやん、、、でも、メーカーから買えばこんなこと起こらないのでは?」

 

メーカーから買おうと思っても、メーカーはすでに生産がフル稼働しており、これ以上新しいところへ販売することはできないし、メーカー側も買いたい連絡が多すぎて、確実に購入してもらえると証明できるところにしか、生産量の割当を出さないようになってしまっております。

 

例えば、世界最大のグローブメーカー「TOP GLOVE」ですが、納期が620日に達しているんです。下記にそのニュースがあります。

www.nikkei.com

 

「えっ、じゃあ買えへんやん。でもほしい人はいっぱいいるんでしょ?」

 

ほしい人はいっぱいいます。私のところにも月間5億枚ほしい、10億枚ほしいといった話がたくさん舞い込んできます。

 

「そんなにいっぱい!?」

 

メーカーに直接話を持っていったときは、月間の最低発注枚数が5億枚なんてことも有りましたので、そんな枚数でもなければ購入ができないことが多くなっています。小さい最低発注枚数でも1000万枚。例え1000万枚の発注を行っても、ロットが小さいため後回しにされることが多々あります。

 

「生産できる枚数がもう無いのに、逆にそんな大きなロットを要求してくるの?」

 

メーカーも新たな発注が必要ないというわけではないんです。というのも、過去の発注者が常に発注を続けてくれるというわけではないからです。過去の発注も数億枚の発注ですので、できれば工場側も新たな発注については確保しておきたいんです。

 

「じゃあ、数量を最低発注枚数まで多くして、納期を待てば買えるんやね?」

 

買えることもあるかと思いますが、交渉次第になるかと。そもそもの話ですが、どこのバイヤーも今すぐ欲しいので、そんなに先の話では購入に至らないケースがほとんどです。

そのため、メーカーから直接買えるというケースは現在ではほとんどないと言えます。

 

「えっ、じゃあ絶対買えないんじゃないの?」

 

買えるケースとしては、「メーカーからすでに買っている商社から購入する(割当を持っているといいます)」という方法があります。

ただし、ここが曲者です。

 

「曲者?」

 

下記の3点で本当に本物が手に入るのか証明がし難いのです。

 

・その商社が本当に割当を持っているのか?

・その商社が本当に偽物を送ってこないのか?

・そもそも商品の品質は大丈夫なのか?

 

本当にこの商社が買っている、割当を持っているのかどうかを証明することが難しいのです。

例えば、メーカーにこの商社へ商品を売りましたか?と問い合わせをしたとします。

グローブメーカーの多くは代理店を持たず、直接販売していたケースが多く、生産から販売まで全て行っている状態になっています。

生産の側に人間が多く、営業や販売管理についてはあまり人がいないのが現状で、コロナ禍の中、アホみたいに問い合わせがかかってくることに耐性がないため、雑に対応がなされるケースがほとんどなのです。「ウチは転売するなって言ってるんだから、ウチ以外から買えることなんてない!」という回答を得たこともあります。

 

偽物を送ってこないかの証明をするには、検査を入れ、そのまま納品させる必要があります。

出荷前に検査を入れ、検査後そのまま商品を出荷させる。

これができるようにしなければなりません。

 

品質についても問題があります。実際に商品を本物を購入できたとしても、コロナ禍による需要の増に対し、商品自体の品質が大きく下がっているケースが見られると聞いています。

丁寧に検品を行っていた商社の話では、いつもと同じところから買っていたのにも関わらず、検品後、まともな商品として出せるものが半数ほどといったことがあり、自分で工場を作ってしまったほうがよいという話もありました。

 

「ええーーー、、、そんなん絶対ムリやん。。。」

 

それに、原材料の生ゴムの高騰が続いており、どんどん価格が上がっていっています。

4月くらいのときに購入する話があったときは100枚4ドル台で話が来ていました。

今は100枚7ドル台が最低ラインになって来ています。

バイヤー側もここまで多くの数量を入手しなければいけない以上、商社規模の会社であり、そこから先の販売先に販売しなければいけないわけです。

どんどん利幅が減っていくため、できるだけ安い商品を手に入れたいわけです。

 

そして、安く提案された商品に手を出します。。。

 

「それで詐欺に引っかかるわけか、、、」

 

5億枚の1枚当り約7円の商品ということは一回の取引で35億円です。これが6.5円だったとしたら、32.5億円。単純に2.5億円の違いがあります。

これだけの違いがでるのですから、安い方を買いたいという気持ちはとてもわかりますが、しっかりとした裏取りもない状態で安いところに飛びついてしまうと、32.5億円全てがパーになります。

 

「ひでえ。。。」

 

そうならないためには徹底した調査が必要なわけです。

 

・今の適正価格はいくらなのか。

・商社は問題無い会社なのか。

・メーカーの商品の品質はどうなのか。

 

せめて、この3つは調査として必須となります。

 

「それはどうやったらいいの?」

 

情報の質、及び、量を増やすことです。

そして、常に情報をアップデートすることです。

 

どんな人にでもいいと思います。得られる情報を増やすことが目的です。

そして、その人の話は鵜呑みにしないことが大事です。

どんな人の話でも徹底的に疑うことです。

 

「それしかなさそうですね」

 

私は多くの情報を集めてきました。

だからこそですが、この現状に大変憤りを感じています。

早くコロナがなくなれば良いと思うとともに、コロナで良いように金儲けのネタにされる人がいなくなればと思っています。