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【拡散希望】CBDは新型コロナウイルス感染に対し重症化を引き起こす可能性がある

最初にお断りをしておきますが、こちらの記事は特定の発信者を非難するものではなく、「CBDは新型コロナウイルス感染に対し、重症化を引き起こす可能性がある」という事実を伝えるためのものとなります。

私自身、「CBDは新型コロナウイルス感染に対して効果的なのではないか」という予測をしておりましたが、専門家に話を聞き、論文を調査したところ、全く逆の結果が出てしまっているという事実を知って、唖然といたしました。

先日、「CBDと花粉症」に関するコラムを書き、花粉症真っ盛りのこの時期に少しでも軽減できればとCBDに手を出した方もいらっしゃるかと思いますが、できる限り使用を控えていただくことが望ましいかと存じます。

blog.lifebloger.jp

 

それでは、本日は「CBDと新型コロナウイルス」についての解説をしていきたいと思います。

なぜCBDは新型コロナウイルス対策に悪影響なのか?

新型コロナウイルス対策にと、「免疫力を高めるためにCBDを使いましょう」といった発言をしているメディアがたくさんある中で、私が悪影響であると発言する理由として挙げられるものは、

「感染初期において、カンナビノイドはウイルスの増殖を促す」

出典:「Cannabinoids and Viral Infections」Pharmaceuticals 2010, 3, 1873-1886; doi:10.3390/ph3061873

という研究結果が出ているからとなります。

はじめにお断りをいたしますが、こちらの論文は2010年のものであり、新型コロナウイルスに関する記述は全くありません。しかし、ウイルス全般において同様の結果が出る可能性もあり、専門家の方は警鐘を鳴らされておりました。

感染症は、感染初期(数時間後から数日以内)の自然免疫と感染7日以降の獲得免疫とウイルスの複製と増殖との争いがカラダの中では起こっています。自然免疫と獲得免疫の意味については下記のサイトをご覧いただくことで知ることができます。

ruo.mbl.co.jp

ウイルスの複製・増殖の勢いが強ければ、宿主を倒してしまうこともあります。

カンナビノイドにより自然免疫が抑制されてしまうことで、感染初期段階にてウイルスの増殖を止めきれず、重症化してしまうケースもあるとの記述もあります。

this author speculates the suppression of host innate immune responses by THC contributes to the increased severity of TB in users.

この著者は、THCによる宿主の自然免疫応答の抑制がユーザーの結核の重症度の増加に寄与していると推測しています。

また、下記の記述もございます。

In all other virus infections, both in vitro and in vivo, cannabinoid treatment led to disease progression, increased pathology, and sometimes to host death.

他のすべてのウイルス感染(多発性硬化症、TMEV-IDD、または非溶解性ウイルス、BDV)では、in vitroとin vivoの両方で、カンナビノイド治療により疾患の進行、病理の増加、場合によっては宿主の死が引き起こされました。

Therefore, in many clinical settings, including latent infections caused by HIV-1 or HSV-1, and persistent infection of the liver caused by HCV, cannabinoids lead to worsened disease outcome.

したがって、HIV-1またはHSV-1によって引き起こされる潜伏感染やHCVによって引き起こされる持続的な肝臓の感染など、多くの臨床環境では、カンナビノイドは病状の転帰を悪化させます。

潜伏感染の起こるものについては、よりウイルスの増殖の危険性を持っており、重症化へ繋がりやすいという記述もありました。

上記の論文はカンナビノイド全体での記述となっておりますが、下記のCBDに関する資料でも免疫の抑制の記述があります。

・免疫機構に対する効果は不明確である;より高い濃度に免疫の抑制のエビデンスがあるが、免疫の刺激作用がより低い濃度で起こるかもしれない。

出典:「カンナビジオール(CBD)事前審査報告書 」世界保健機関(WHO) 薬物依存に関する専門委員会(ECDD) 第 39 回会議 ジュネーブ 2017年11月6日〜10日

上記の2つの資料から、CBDは免疫効果を抑制する働きをする可能性があり、感染初期において重症化を促す可能性を持っていると考えておいた方がよいということがわかります。

CBDは「身体の恒常性を保つ効果がある」と言われており、免疫機能が落ちていれば通常時に戻すことが可能であると言えるため、たしかに予防という面では効果があるのかもしれません。

ただし、今回の新型コロナウイルスは感染初期において症状が見られないことも多いため、感染したとしてもそのままCBDの使用を続けてしまう可能性が非常に高いです。その潜伏期間に通常より活発になっている免疫機能を抑制する方向へとCBDの効果が働いてしまい、ウイルスの増殖を許してしまう可能性が十分にあります。

新型コロナウイルスが感染力の強いウイルスであることや、感染初期に症状が見られないケースが多いことは、ニュースでも騒がれているかと思いますし、上記のような危険性を孕んだCBDの使用が予防よりもリスクを高めていることに気づかれるかと思います。

 

新型コロナウイルスに対するCBD使用について

新型コロナウイルスに対するCBD使用について、ここまでまとめて参りました。

こちらは私が感じるだけではなく、専門家の方の意見と、論文などの資料を用いて解説いたしました。

専門家の方からは、「CBDが新型コロナウイルスに対して効果的である」という安易な情報発信を行っている方たちに憤りを感じており、すぐにでも発信をしてほしいと連絡がありました。

CBDは免疫効果を抑制する働きをする可能性があり、感染初期において重症化を促す可能性を持っていると考えておいた方がよいということをわかっていただければと思います。

現在CBDを使用をしている人で「てんかん」の持病持ちの方以外はすぐに使用をやめることをおすすめいたします。

 

補足ではありますが、肺炎などまで症状が進行されている場合については、CBDの抗炎症作用が効果的ですので、感染が進んでしまい肺炎症状が出た場合のみご使用いただく方がよいかと思います。